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記事: チェーンができるまで ー 製造工程のご紹介

チェーンができるまで ー 製造工程のご紹介

チェーンができるまで ー 製造工程のご紹介

ジュエリーとしての美しさだけでなく、確かな品質と強さを備えたチェーン。

その裏には、いくつもの繊細な工程と、職人たちの確かな技術が込められています。


今回は、チェーンができあがるまでの製造工程をご紹介します。

1本のチェーンがどのように生まれ、仕上げられていくのか。

そのものづくりの世界を、少しだけ覗いてみてください。


1 溶解

金属を溶かして加工の準備をする


チェーンづくりは、まず金やプラチナなどの貴金属を高温で溶かすところから始まります。この工程を「溶解(ようかい)」と呼びます。


純金(K24)や純プラチナに、銀や銅などの金属を配合し、まとめて溶かしていきます。

温度や配合バランスを管理しながら、ジュエリーに適した合金をつくり出す、重要な工程です。


溶けた金属はその後、棒状や板状に加工できる形に整えられ、圧延の工程へと進みます。


2 圧延

金属を引き伸ばし、チェーンの素材となる線や板をつくる


溶かして固めた金属は、そのままではチェーンづくりには使えません。

ここで行うのが「圧延(あつえん)」と呼ばれる工程です。専用のローラーで何度も金属を引き伸ばし、徐々に細い線や薄い板の形にしていきます。


この作業を繰り返すことで金属は次第に硬くなっていくため、途中で「なまし」と呼ばれる熱処理を加え、やわらかく保ちながら加工しやすい状態に整えます。


チェーンの種類に合わせて厚みや幅を細かく調整し、次の工程に適した素材へと仕上げます。

 


3 編み

チェーンの粒を1つずつ成形しながら編み込む


専用の編機が線材を切断してチェーンのコマを成形し、その場で編み込んでいきます。

この「切断、成形、編み込み」という工程が連続的に繰り返され、高い精度でチェーンを作り上げていきます。


ただし、使う金属の状態によって、同じ素材でもわずかな硬さやしなやかさの違いがあります。

そうした差に対応するために、編機の設定は素材の状態を見極めながら、熟練のスタッフが細かく調整しています。


細やかな調整があるからこそ、ズレやひっかかりのない、美しくなめらかなチェーンに仕上がります。


 

4 カット

チェーンの表面をカットし、輝きを生み出す


表面に細かなカットを入れることで、光を反射させて美しい輝きを生み出します。

チェーンの種類や形状に応じて、カットの方法も異なります。


太く重みのある喜平チェーンには、「アイスカット」と呼ばれる方法が使われます。チェーンをドラムに巻き付けて凍らせ、動かないように固定した状態で、ダイヤモンドの刃を使って表面を丁寧に削り出します。


小豆やベネチアンなどの細いチェーンでは、リールに巻いたチェーンを端から順にカット機に通し、自動でカットを施していきます。


どちらの方法も、チェーンの種類に合わせて熟練のスタッフが細かく調整しながら作業を行います。

特に喜平チェーンは、カットの深さによって重さが変わってしまうため、慎重な仕上げが求められます。

 

 

5 切断

 

チェーンを正確な長さに切りそろえる


仕上がったチェーンは、ジュエリーとして使えるよう、用途に合わせた長さに切断されます。


職人が1本ずつ手作業で切断を行い、チェーンの種類や素材、品位(純度)に応じて最適な方法を選びながら、美しく正確に仕上げていきます。


 

6 金具付け

チェーンに引輪や中留などの金具を取り付ける


ジュエリーのチェーンとして使えるように、両端に引輪(留具)やプレートなどの金具を取り付けていきます。


細めのチェーンには、丸カン(小さなリング)を使用して引輪やプレートを接続します。わずかなズレが完成品の仕上がりに影響してしまうため、熟練の技が求められる作業です。


喜平チェーンなどに使われる「中留(なかどめ)金具」の場合は、バーナーで熱を加え、ロー材という金属の接着材を使って接合します。

金具をどこに、どの角度で取り付けるか、火をどのように当てるか、どれくらいのロー材を使うか——すべて職人が目と感覚で判断し、微調整を重ねながら行います。



7 仕上げ

チェーンの表面を磨き、美しい輝きを引き出す


すべての加工を終えたチェーンは、最後に「仕上げ」と呼ばれる磨きの工程へ進みます。ここでは表面を整え、チェーンの輝きを最大限に引き出します。


回転する布(バフ)で磨く「バフ研磨機」や、チェーンを金属の球(スチールボール)とともに回転させて磨く「バレル研磨機」等を使い、一本一本丁寧に仕上げを行っています。


磨きすぎるとエッジが丸くなり、チェーンの形が崩れてしまうため、職人が金属の状態を見極めながら、磨き具合を細かく調整しています。



8 検品

仕上がったチェーンを1本ずつ丁寧にチェック


チェーンづくりの各工程では、それぞれに応じた検品が行われていますが、すべての加工が終わった後、最終確認として改めて検品を行います。


ここでは、チェーンの長さや重さ、金具の取り付け状態、カットの仕上がり、全体の輝きやなめらかさまで、厳しい基準に沿って1本ずつチェックします。


すべての基準を満たしたチェーンだけが、お客様のもとへ届けられます。

品質へのこだわりが詰まった1本を、ぜひ手に取って感じてみてください。

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